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第14回 学生起業塾実施報告

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今年度第6回目の学生起業塾を開催しました。今回は、当財団が主催する企業経営者および幹部候補生向けのプログラム「経営道場'09」との合同開催です。前半に恒例の奨学生による起業プランディスカッションを行った後、経営道場の受講生とともに、ブックオフコーポレーション株式会社(神奈川県相模原市)の橋本真由美取締役会長より「最強の現場の作り方」と題して講演をいただきました。また、終了後には、橋本会長にもご参加いただき、懇親会を行いました。

日時 2009年11月12日(木) 15時30分〜20時
場所 財団法人神奈川産業振興センター 第1会議室、第2会議室
参加人数 奨学生23名、事務局3名、計26名

今回は、前半に、次の3名の発表により、グループに分かれて起業プランディスカッションを行いました。それぞれの抱える課題について、意見交換を行いました。

◆ 起業プランディスカッション発表者とテーマ

  1. レタンフィ 「日本とベトナムのビジネス促進の架け橋に」
  2. 鈴木雅也  「土地と労働力の流動性を高めた新しい農業」
  3. 笠井南芳  「Promote Japan Organization」

続いて、会場を移し、経営道場と合同で橋本会長の講演を聞きました。
講演では、冒頭、橋本会長がブックオフコーポレーション(以下、ブックオフ)にパートとして就職してから同社の経営に携わるようになるまでの経緯が紹介されました。その後、経営者として、どのような危機に直面し、その危機をどのように乗り越えてきたかについて、具体的な出来事をお話ししながら、ご説明いただきました。講演後には、参加者からの数多くの質疑に丁寧にお答えいただきました。
橋本会長は、ブックオフに勤めることにより、働くことの喜びを知ったと言います。それまでは、主婦として、子供の成長や夫の出世しか喜びを知らなかったが、勤めたことにより、自分が認められることの喜びに気付いたそうです。特に、古いものをお客様から買取り、自分たちできれいにして販売するというブックオフの事業には喜びがあると言います。

橋本会長がブックオフの経営に携わるようになっていた2001年に、同社は初めて赤字決算となりました。本業(古書販売事業)で出した利益を新規事業が食っていたのです。それまで、橋本会長は、本業を担当していたので、新規事業は他人事だったそうです。しかしこの契機に、事業を立て直すべく新規事業に飛び込みました。橋本会長が立て直しに入った店舗は、1,400万円の売り上げがありましたが、利益は出ていませんでした。売場やスタッフの改革に着手しましたが、現場のスタッフはなかなか心を開いてくれませんでした。そのことが一番辛かったと言います。結局、橋本会長の方針に従って一緒にやろうと言ってくれた人に残ってもらうことにしました。その結果、20人いた店舗スタッフのうち、6人だけが残りました。この経験を通じて、会社の経営を立て直そうと思った時には、その思いをスタッフと共有することが肝心であるということを学んだと振り返ります。
また、橋本会長が現職に就いて以降に、当初の売上目標を確保する見通しが立たない時期がありました。しかし、現社長の佐藤社長は、「約束したことを守る」「決めたことをやり抜く」との思いから、目標を修正せず、なんとしても達成することを決断し、その結果、目標を確保することができたそうです。この時、社内では役員も社員もスタッフも同じ方向を向いていたと橋本会長は感じたそうです。その思いのレベルが、ブックオフと他社では違うと言います。
同じ頃に、橋本会長は、コスト低減のために店舗の賃料を少しでも下げてもらえないかと全国各地を回り、所有者と交渉をしました。その際、あるオーナー経営者が自分も厳しい中であっても、こちらが真剣な姿勢で窮状を説明すると理解を示してくれたという経験し、経営者には義理人情も大切であることを実感したそうです。
橋本会長は、ブックオフは社員とスタッフの“現場力”が過去最高の利益を産み出しており、社員やスタッフの成長があるから会社の成長があると考えています。従って、経営活動の中ではとりわけ人材育成を重要視しています。人材育成のポイントは、自由度とやり場だと言います。橋本会長は、人が変わる瞬間に立ち会えることが喜びであり、財産だと考えています。それゆえ人材は自らの手で育てることが大切であり、人材育成は外部に委託してはならないと説明されました。

最後に、橋本会長は今年9月にご主人を病で亡くされたことを明かされました。ご主人を看取ったことをきっかけに、橋本会長自身が職業観を変えなくてはならないと宣言されたことが印象的でした。従前は全力を振り絞って業務に当たるように社員を叱咤激励してきましたが、今はそうした考えが組織の求心力を生むことにつながらないことに気づき、これからは死ぬほど働くことを求めるのではなく、プライベートの時間も取りつつ、効率よく働いて利益を上げることが必要と感じていることを話され、講演を終えました。
講演後の質疑応答の中で、ブックオフの採用活動について言及されました。ブックオフの採用面接では、本気でブックオフで働いてくれるのかどうかを基準に採否を判断しており、学校の成績や面接でのやりとりの内容などは二の次とのことです。また、今この不況の最中に社会に出ていく若者に対しては、「世の中がどうであっても真剣になればなんでもできるよ。だって生きているのだもの」とのメッセージが熱く伝えられました。
さまざまな経験を踏まえた具体的なお話は、聞く者を惹きつけます。今回の講演は、経営に携わる人や経営に携わろうとする人、あるいはこれから起業しようとする人たちにとって有益な数多くのヒントがあったと思われます。

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